「中国輸入でOEMをやってみたいけれど、2026年の今からでも間に合うのか」。最近の個別相談で、いちばん多くいただく質問です。
結論からお伝えすると、間に合います。ただし、5年前と同じやり方では利益が残りません。円安で仕入れ原価が上がり、Amazonの手数料体系が変わり、製品安全のルールも強化されました。一方で、ルールを守って「付加価値」で勝負する日本の事業者にとっては、追い風になっている変化もあります。
この記事では、私が2017年から受講生・クライアントさんと一緒に積み上げてきた実例と失敗談をもとに、中国輸入×Amazon簡易OEMの全体像を、2026年の最新事情に合わせてまとめ直しました。リサーチの基準、利益計算の具体例、かかる費用、やってはいけない商品まで、最初の1商品を出すまでに必要なことを一通り載せています。
- 簡易OEMは「すでに売れている商品」に付加価値を足し、自分のブランドとして新規出品する方法
- 2026年は「円安」「Amazon手数料改定」「製品安全4法の改正」「少額輸入の免税見直し」「AIによる買い物支援」の5つを前提に組み立てる
- リサーチの理想は「最終利益率40%以上」。販売初期は値下げと広告で利益率が下がるため。ただし初心者は、まず「0から1」の販売経験を優先して妥協することもある
- 最初から簡易OEMを少量でスタートする。大ロットのOEMは、売れる型が見えてから
簡易OEMとは?転売・OEM・ODMとの違い
簡易OEMとは、中国の工場や店舗がすでに作っている既製品をベースに、ロゴの印字、パッケージ、付属品、セット内容、日本語の説明書などを変えて、自分のブランド商品としてAmazonに新しい商品ページを作って販売する方法です。金型から作り直すような本格的な開発は行いません。
中国輸入で扱う販売方法を、難易度とリスクの順に並べると次のようになります。
| 方法 | やること | 発注ロットの目安 | 在庫リスク | 価格競争 |
|---|---|---|---|---|
| 相乗り出品(転売) ※現在はおすすめしていません | 既存の商品ページに、同じ商品を出品する | 数個〜 | 小 | 起きやすい |
| 簡易OEM | 既製品に付加価値とブランドを足して新規出品する | 数十個〜 | 中 | 自分のページなので避けやすい |
| OEM | 工場に仕様を指定して製造してもらう | 100〜300個以上が多い | 大 | 避けやすい |
| ODM | 工場に企画・設計から任せて製造してもらう | 工場の条件しだい | 大 | 避けやすい |
簡易OEMの魅力は、OEMほど大きな資金をかけずに「自分だけの商品ページ」を持てることです。自分のページで売れ続ければ、レビューと販売実績はすべて自分の資産として積み上がります。私が「負けない物販」と呼んでいるのは、この資産が積み上がる売り方のことです。
2026年、簡易OEMを取り巻く6つの変化
ここ1〜2年で、中国輸入×Amazonの前提は大きく変わりました。古い情報のまま始めると、利益計算の段階でつまずきます。私が受講生と一緒に確認している変化を6つにまとめました。

1. 円安で、人民元建ての仕入れ原価が約3割上がった
私が2020年ごろに利益計算の記事を書いたときは、1元=18円前後で計算していました。2026年9月は1元=23円台で推移しています。同じ30元の商品でも、仕入れ値は540円から700円前後に上がっているということです。国際送料や中国国内の送料も元建てで請求されるため、影響は商品代だけにとどまりません。
だからこそ、昔の「1,000円台の雑貨を安く売る」発想は通用しにくくなっています。後ほど利益計算の例で詳しく見ますが、販売価格を上げても選ばれる付加価値を作れるかが、2026年の簡易OEMの分かれ目です。
2. Amazonの手数料改定(2026年4月)
Amazon.co.jpは2026年4月に、出品者向けの手数料を改定しました。簡易OEMに関係が深いのは次の3点です。
- 販売手数料:商品1点あたりの売上が750円を超える場合、販売手数料率が0.4ポイント引き上げ(2026年4月1日〜)
- FBA配送代行手数料:標準サイズのうち、3辺合計20〜80cm・重さ5kgまでの商品は、1個あたり平均38円の引き下げ(2026年4月1日〜)
- 長期在庫保管手数料:保管期間が365日を超えた在庫は、体積で計算した金額と「1個あたり20円」の高いほうが請求される(2026年4月15日〜)
まとめると、小さく軽い商品は物流コストが下がり、売れ残った在庫を抱え続けるコストは上がったということです。簡易OEMでは「小型・軽量で、在庫が回る商品」を選ぶ重要性が、さらに高まりました。実際の手数料は商品ごとに違うので、必ずセラーセントラルのFBA料金シミュレーターで確認してください。
3. 製品安全4法の改正(2025年12月25日施行)
消費生活用製品安全法・電気用品安全法などの「製品安全4法」が改正され、2025年12月25日に施行されました。ポイントは2つです。
- 海外の事業者がAmazonなどを通じて日本の消費者に直接販売する場合も規制の対象となり、PSEやPSCなどの対象製品では日本国内の責任者(国内管理人)の選任が必要になった
- 玩具など子ども向けの製品のうち、政令で定める「子供用特定製品」に、PSCマークの表示と、対象年齢・使用上の注意の表示が義務づけられた
これまで、安全基準を満たさない海外からの直販品と同じ土俵で価格競争をさせられる場面が少なくありませんでした。今回の改正で、ルールを守って輸入している国内の事業者が不利になりにくい環境に近づいています。一方で、子ども向けの商品は規制が強まったので、初心者のうちは扱わないことをおすすめします。
4. 少額輸入の免税見直し(2026年度税制改正)
2026年度の税制改正で、1万円以下の少額輸入貨物にかかる消費税の免税を見直し、海外の通信販売業者やプラットフォームに納税義務を課す方針や、個人輸入の課税価格を6割で計算する特例の廃止などが打ち出されました。具体的な施行時期は、今後の法整備で決まる見込みです(2026年10月時点)。
簡易OEMの事業者は、もともと商業貨物として関税・消費税を納めて輸入しています。海外から1個ずつ直送される格安品との価格差が縮まる方向の改正なので、正規に輸入している事業者にとってはプラスに働くと考えています。
5. AIショッピングアシスタント「Rufus」の普及
Amazonの生成AIショッピングアシスタント「Rufus(ルーファス)」は、2025年9月から日本のすべてのお客様が使えるようになりました(米国では2026年5月に「Alexa for Shopping」へ名称変更。日本は2026年9月時点でRufusのままです)。
お客様が「車内で使えるコンパクトな◯◯は?」とAIに質問し、AIが商品ページやレビューの情報から答える買い方が増えています。キーワードを詰め込むだけの商品ページではなく、サイズ、素材、使う場面、他の商品との違いを、質問に答える形で具体的に書いたページが選ばれやすくなっています。
6. 激安ゾーンは「Amazon Haul」などとの勝負に
2025年10月には、1,000円以下の商品を中心とした格安ストア「Amazon Haul」が日本でも始まりました。TemuやSHEINを含め、超低価格帯は海外からの直送品との競争です。簡易OEMで1,000円前後の商品を安さで勝負するのは、2026年はおすすめしません。付加価値で3,000〜5,000円の価格帯をとりにいくほうが、利益も残り、ブランドとしても育てやすいです。
中国輸入×Amazon簡易OEMのやり方 10ステップ
ここからは、私が受講生にお伝えしている手順を、最初の1商品を出すところまで順番に解説します。

ステップ1:販売データからベンチマーク商品を決める
最初にやるのは、中国の仕入れサイトを眺めることではありません。Amazonで実際に売れている商品を、データで探すことです。Keepaやショッピングリサーチャーなどのリサーチツールを使えば、商品ごとの販売ペースや価格の推移を確認できます。
相談を受けていて多いのが、「自分が良いと思った商品」を仕入れて、まったく売れないパターンです。センスに自信がある方でも、最初の商品はデータで決めてください。目安として、次の条件を満たす商品を「ベンチマーク(お手本)」にします。
- 毎月、安定して一定数が売れている(季節で大きく上下しない)
- 上位が大手メーカーだけで固まっておらず、レビュー数が数十〜数百件の商品も上位にいる
- レビューに「ここが不満」という具体的な声がある(=改善の余地がある)
- 小さく、軽く、壊れにくい
逆に、レビューが1万件を超える商品が上位を占めている市場は、広告費をかけても上位に表示されにくいので避けます。
ステップ2:お客様が本当に欲しい「付加価値」を決める
同じ商品をそのまま新規出品することは、Amazonの規約で禁止されています(同じ商品は同じ商品ページで販売するルールです)。簡易OEMでは、必ず何かしらの改良を加えます。
ここで、私自身の失敗をお話しします。以前、洗車用品に拭き取りタオルを付けたセット商品を出したことがあります。「洗車にタオルは必ず使うから、セットにすれば少し高くても売れるはず」と考えて、タオルの原価分を上乗せしました。結果は、ほとんど売れませんでした。
原因を振り返ると、洗車をする人は「傷がつきにくい専用タオル」にこだわっていて、付属の安いタオルには価値を感じていなかったのです。そもそもタオルは家にあります。自分が「便利そう」と思った付加価値と、お客様が求めている付加価値は違う。この経験から、付加価値は必ずレビューと質問欄から探すようにしています。
たとえば、ベンチマーク商品に「説明書が中国語だけで使い方が分からなかった」という低評価が並んでいれば、日本語の説明書を付けるだけで選ばれる理由になります。説明書は一度作れば印刷代だけで済むので、原価もほとんど上がりません。付加価値は「お客様が困っていること」を「低コストで」解決するものを選ぶのが鉄則です。
ステップ3:ブランド名・ロゴを作り、商標を出願する
Amazonを見ていると、思いつきで付けたようなブランド名がたくさんあります。だからこそ、ブランド名とロゴはプロのデザイナーに依頼することをおすすめしています。私がOEMを指導している方には全員に実践してもらっていますが、初動の売れ行きに明らかな差が出ています。
しっかりしたブランド名は、Amazonの外でも検索されるようになります。Amazonで売れ始めた商品が、Googleで「ブランド名+口コミ」のように検索されるようになり、他の販路での売上につながったクライアントさんもいます。
ブランドを守るために、商標も出願します。Amazonのブランド登録には特許庁の商標が必要ですが、登録が完了する前でも、出願番号があればブランド登録を申請できます。商標の登録までは半年〜1年ほどかかるので、ブランド名が決まったら早めに出願しておきましょう。費用は、特許庁に自分で出願したクライアントさんの例で4〜5万円ほどでした(区分の数などで変わります)。
ステップ4:仕入れ先を5店舗以上比較し、サンプルを取り寄せる
候補の商品が決まったら、同じ商品を扱う中国の店舗・工場から、最低5店舗分のサンプルを取り寄せて比べます。1店舗ずつ試していると、品質がいまいちだった場合にまた取り寄せ直しになり、時間ばかりかかるからです。
複数の仕入れ先を確保しておくことは、在庫切れ対策にもなります。「売れ始めたのに、仕入れ先の店舗が在庫切れで補充できない」という事態は、受講生のほとんどが一度は経験しています。品質の基準を満たす店舗を、いつも2〜3店舗はストックしておきましょう。
ステップ5:法規制・知的財産を確認する
発注の前に、その商品を日本で売ってよいかを確認します。問題が起きたときに責任を負うのは、輸入した事業者自身です。
| 確認すること | 主な対象の例 |
|---|---|
| 電気用品安全法(PSE) | コンセントにつなぐ製品、モバイルバッテリーなど |
| 電波法(技適) | Bluetooth・Wi-Fiなど無線機能のある製品 |
| 食品衛生法(輸入届出) | 食器、調理器具、水筒など、食品に触れる製品 |
| 消費生活用製品安全法(PSC) | 乗車用ヘルメット、子供用特定製品(2025年12月〜)など |
| 知的財産権 | 商標・意匠・特許、キャラクターなどの著作権 |
知的財産は、特許庁の「J-PlatPat」で商標や意匠を検索できます。「ノーブランドだと思って仕入れたら、日本で意匠が登録されていた」というケースは実際にあり、権利者から申し立てがあると出品停止、最悪の場合はアカウント停止につながります。Amazonで長く売られているからといって、問題がないとは限りません。
ステップ6:利益計算をして、合格ラインを確認する
私がリサーチで目指す理想のラインは、付加価値のコストと経費をすべて含めた「最終利益率40%以上」です。一般的には30%と言われることが多いのですが、あえて高くしています。理由は次の章で、計算例と一緒に説明します。ただし、初心者の方には販売経験を優先して、40%に届かない商品で妥協してもらうこともあります(次の章の最後で説明します)。
ステップ7:JANコードを取得し、作業手順書で代行会社に依頼する
新しい商品ページを作るには、原則としてJANコードが必要です(GS1 Japanで事業者コードを取得します)。
ロゴ入れや説明書の封入、セット組みは、輸入代行会社に依頼します。ここで大事なのが作業手順書です。私は受講生に、手元のサンプルを使って自分で梱包してみて、その様子をスマホで動画に撮り、文章の手順書と一緒に担当者さんへ送ってもらっています。
最初から思いどおりに仕上がることは、まずありません。仕上がりが指示と違ったら、担当者さんを責めるのではなく、「どこが伝わりにくかったか」「作業に無理がなかったか」を考えて手順書を直します。これを繰り返すと、担当者さんとの信頼関係ができ、商品の品質も安定していきます。検品も必ず依頼してください。不良品がそのまま届いて低評価がつくと、立ち上がったばかりの商品ページには致命的です。
ステップ8:「AIにも人にも伝わる」商品ページを作る
商品ページで作り込むのは、主に次の4つです。
- 商品画像(7枚前後):1枚目は白背景で商品とロゴがはっきり分かるもの。2枚目以降で、サイズ感、使う場面、付加価値、他との違いを見せる
- 商品タイトル:ブランド名を先頭に。お客様が実際に検索する言葉を、自然な文章で入れる
- 箇条書き:お客様が購入前に迷う点(サイズ、素材、対応機種、手入れの方法など)に、具体的な数字で答える
- 商品紹介コンテンツ(A+):ブランド登録をすると使える。ブランドの考え方や、使い方を画像で伝える
前に書いたように、2026年はAIのRufusがページの情報を読んで、お客様の質問に答えます。「車中泊で使える?」「洗濯機で洗える?」のような、お客様が実際にする質問に答えられる情報が書いてあるかを、最後にチェックしてください。
ステップ9:スポンサープロダクト広告とVineで初速をつくる
新しい商品ページは、出品しただけではほぼ表示されません。スポンサープロダクト広告で、検索結果の目立つ位置に表示させます。私が目安にしているのは、1個売るのにかかる広告費を70〜500円以内に収めることです(利益が1,000円以上残る商品なら500円以内)。実際に、1個あたり約73円の広告費で1日5個以上売れるようになったクライアントさんもいます。
広告をかけても表示されない、クリック単価が高すぎるという場合は、競合が強すぎる市場に入ってしまっている可能性が高いです。広告費を上げるより、市場の選び直しを検討してください。
レビューが1件もない新規ブランドは、お客様から見ると不安です。ブランド登録をしていれば、Amazon Vine(先取りプログラム)で、選ばれたレビュアーに商品を無償で提供してレビューを書いてもらえます。登録手数料は、提供する数が1〜2個なら無料、3〜10個なら10,000円、11〜30個なら22,000円です(2026年時点)。品質が低い商品は正直に低評価をつけられるので、サンプル選びで妥協していないことが前提です。
ステップ10:数字を見て改善し、毎月1〜2商品ずつ増やす
売れ始めたら、レビューと数字(売れ行き、広告費、在庫の回転)を見て改善を続けます。そして、毎月1〜2商品のペースで新しい商品を出し続けること。1商品だけに頼ると、強い競合が現れたときに売上が一気に落ちます。
注意したいのは、最初の商品に愛着がわいて、利益が薄いのに手放せなくなるケースです。私の感覚では、1〜2年続けている受講生のうち6割ほどが、最初に出した商品を売り続けています。それ自体は悪くないのですが、手間の割に利益が出ない商品に時間を取られて、次の商品の開発が止まっている方も少なくありません。2〜3か月で見込みがない商品は撤退し、次の商品に切り替える判断も、同じくらい大切です。
【2026年版】利益計算シミュレーション
ここでは、ホーム&キッチンのカテゴリーの小型商品を例に、2026年の為替と手数料で計算してみます。数字はあくまで例で、送料や関税率は商品と物流ルートによって変わります。
為替:1元=23.5円/仕入れ値:30元/中国国内送料:3元/代行手数料:商品代の5%/付加価値(日本語説明書・ロゴ入れ・袋):80円/国際送料:1個あたり15元(重さ・体積で変わるため、代行会社で必ず見積もりを)/関税率:5%/販売手数料:15.4%(2026年4月改定後)/FBA配送代行手数料:400円/保管手数料:20円
※消費税は課税事業者を想定し、売上は税抜、輸入消費税は仕入税額控除の対象として除いた概算です。
| 項目 | 販売価格3,980円の場合 | 販売価格4,980円の場合 |
|---|---|---|
| 売上(税抜) | 3,618円 | 4,527円 |
| 商品代(30元) | 705円 | 705円 |
| 中国国内送料(3元) | 71円 | 71円 |
| 代行手数料(5%) | 35円 | 35円 |
| 付加価値のコスト | 80円 | 80円 |
| 国際送料(15元) | 353円 | 353円 |
| 関税(5%) | 56円 | 56円 |
| 販売手数料(15.4%) | 613円 | 767円 |
| FBA手数料+保管料 | 420円 | 420円 |
| 利益 | 1,285円(35.5%) | 2,040円(45.1%) |
3,980円では35%ほどで、私が理想とする40%には届きません。同じ商品でも、付加価値をしっかり作って4,980円で選ばれるなら、45%を超えます。

なぜ「最終利益率40%」を理想にするのか
理由は、販売を始めたばかりの時期は、計算どおりの利益が出ないからです。

- 値下げ:レビューがない新商品は、ベンチマークと同じ価格では選ばれません。最初は数百円〜1,000円ほど下げることがよくあります
- 広告費:スポンサープロダクト広告の費用が、1個あたり数十円〜数百円かかります
- 撤退のしやすさ:うまくいかなかったときに大きく値下げしても、赤字になりにくい
上の4,980円の例で、最初の数か月を4,480円に下げて、広告費を1個あたり300円かけたとします。それでも利益は1個あたり1,300円台、利益率は30%台前半が残ります。最初から30%ギリギリの商品だと、ここで利益がほとんど消えてしまいます。私がリサーチの段階で「最終利益率40%」を理想にしているのは、このためです。
初心者は「40%に届かなくても、まず1個売る経験」を優先することもある
とはいえ、最終利益率40%以上の商品を見つけるのは簡単ではありません。リサーチに慣れていないうちは、なおさらです。また、売れている商品の不満をレビューから読み取り、それを解決する付加価値を形にするのも、初心者にはいきなり難しい作業です。
そのため私は、初心者の方には40%に届かない商品で妥協して、先に「0から1」の販売経験を積んでもらうこともあります。
もちろん代償はあります。利益の余裕が小さいぶん、販売初期の値下げや広告費を吸収しにくく、一度赤字になると黒字に戻すのが難しくなります。それでも、発注・納品・商品ページ作成・広告・レビュー対応までを一度自分で回した経験は、2商品目以降のリサーチと付加価値づくりに必ず生きます。
どこまで妥協するかは、使える資金や目的によって変わるため、受講生ごとに相談して決めています。40%はあくまで「目指す理想」、1商品目は「経験を買う」と割り切り、2商品目以降で利益率を上げていくのが現実的な進め方です。
簡易OEMにかかる費用と、売上の目安
最初の1商品を出すまでに、仕入れ以外にかかる主な費用は次のとおりです。
| 費用 | 内容・目安 |
|---|---|
| サンプル代 | 5店舗分の商品代と送料 |
| ブランドロゴ・パッケージ・説明書のデザイン | 依頼先によって大きく変わる |
| 商標出願 | 自分で特許庁に出願したクライアントさんの例で4〜5万円ほど |
| JANコード(GS1事業者コード) | 登録申請料と年間利用料(事業規模で変動) |
| Amazon大口出品 | 月額登録料 |
| 初回ロットの仕入れ | 商品代・送料・関税・代行手数料 |
| Vine・広告費 | Vine登録料0〜22,000円+提供する商品代、広告費 |
売上の目安としては、これまでの指導経験上、簡易OEMを始めて4〜6か月で「月に300個・月商100万円・利益20万円・仕入れ60万円」あたりが、一つの現実的なラインです。もちろん商品の単価と利益率しだいで、この2倍にも半分にもなります。だからこそ、リサーチにいちばん時間をかけてください。
簡易OEMでよくある失敗と、避け方
| よくある失敗 | 避け方 |
|---|---|
| 自分の好みで商品を選び、1個も売れない | 販売データでベンチマークを決める |
| 付加価値を付けずに出品する | レビューの不満から、低コストで解決できる改良を足す |
| 付加価値にコストをかけすぎる | 「付加価値込みで、ベンチマークと同じ価格でも利益が残るか」で判断する |
| 法規制のある商品を知らずに輸入する | PSE・技適・食品衛生法・PSCを発注前に確認する |
| キャラクター品や他社の権利がある商品を扱う | J-PlatPatで商標・意匠を検索し、少しでも怪しければ扱わない |
| 安全性に不安がある商品を扱う | 安全帯・ヘルメット・子ども向け製品などは、初心者のうちは避ける |
| 国際送料を実重量だけで計算して赤字になる | 体積重量(縦×横×高さ÷6,000が目安)と比べて重いほうで計算する |
| 最初の商品に固執して、次の商品が出せない | 2〜3か月で見込みがなければ撤退し、毎月1〜2商品を出し続ける |
いきなりOEMではなく「簡易OEMを少量で」始める理由
すでに中国輸入に取り組んでいる方から相談を受けると、半数近くが「最初からOEM」で始めていて、次のような悩みを抱えています。
- 国際送料を甘く見積もっていて、売れても赤字
- 規制のある商品と知らずに販売し、出品停止になった
- 大量の在庫を抱えて、いろいろな販路で売りさばくのに疲れている
OEMは発注ロットが大きく、1商品を出すのに数十万円と数か月かかることも珍しくありません。初めての挑戦は、たいてい失敗します。大切なのは、失敗から学んで次に活かす回数を増やすことです。
そこで私は、最初から簡易OEMを少量でスタートする → 売れた商品は追加発注し、毎月1〜2商品ずつ横展開する → 売れる型が見えてからOEMに進む、という順番をおすすめしています。
以前は、相乗り出品で輸入と販売の流れを体験してから簡易OEMに進む方法もお伝えしていました。ただ、相乗り出品は同じ商品ページで価格競争になりやすく、レビューや販売実績も自分の資産として残りません。今は相乗り出品はおすすめしておらず、最初の1商品から自分の商品ページを持てる簡易OEMを、在庫を抱えすぎない少量のロットで始めるのがいちばんの近道だと考えています。少量なら、うまくいかなかったときの損失を抑えながら、「仮説 → 販売 → 検証」の経験を早く積めます。

よくある質問
Q. 副業でも簡易OEMはできますか?
できます。私のクライアントさんにも、会社員や会社役員として働きながら、Amazonでベストセラーを獲得した方がいます。保管・発送はFBA、検品やセット組みは代行会社に任せられるので、ご自身はリサーチと改善に時間を使えます。
Q. 商標がないとAmazonで新規出品できませんか?
Amazonのブランド登録には商標が必要ですが、登録の完了を待たなくても、特許庁の出願番号があれば申請できます。ブランド登録をすると、相乗りへの対策、A+コンテンツ、Vineなどが使えるようになるので、簡易OEMでは実質的に必須だと考えてください。
Q. 円安の今、中国輸入はもう儲からないのでは?
安さだけで勝負するやり方は、確かに厳しくなりました。一方で、製品安全のルール強化や少額輸入の免税見直しで、正規に輸入する事業者が不利になりにくい環境に近づいています。付加価値で3,000〜5,000円の価格帯をとれる商品なら、2026年でも十分に利益を出せます。
Q. 最初は何個くらい仕入れればいいですか?
最初から大量に仕入れず、少量でスタートして、売れ行きを見ながら追加発注するのがおすすめです。具体的な数は、商品の単価や仕入れ先の最小ロットによって変わります。売れ残ると、2026年4月から長期在庫の保管手数料が上がっている点にも注意してください。
Q. 輸入代行会社は使ったほうがいいですか?
初心者のうちは、使うことをおすすめします。仕入れ先とのやりとり、検品、ロゴ入れやセット組み、国際配送までまとめて任せられるからです。私はラクマートの認定講師として、受講生にも実際に使ってもらっています。
まとめ:2026年の簡易OEMは「付加価値」と「ルール」で勝つ
円安や手数料の改定で、安く仕入れて安く売るやり方は通用しにくくなりました。その一方で、ルールを守り、お客様の困りごとを解決する商品を作る事業者には、追い風になる変化も起きています。
- 販売データでベンチマークを決め、レビューから付加価値を探す
- ブランド名とロゴはプロに依頼し、商標を早めに出願する
- 最終利益率40%以上を理想にし、安さではなく付加価値で価格をつける(初心者の1商品目は、販売経験を優先して妥協することもある)
- 法規制と知的財産は、発注前に必ず確認する
- 最初から簡易OEMを少量で始め、売れる型が見えてからOEMへ進む
「自分の場合はどの商品から始めればいいか」「今の利益計算で合っているか」を一緒に確認したい方は、無料のロードマップ作成ミーティングをご利用ください。まずは全体像を知りたい方は、無料のnote連載の序章や、LINEの無料講義もあわせてどうぞ。
中国輸入×Amazon簡易OEMを、最短ルートで始めたい方へ
ラクメイド公認OEM講師の酒井勝也が、中国輸入講座(2026年版)の動画3本と特典をLINEで無料配信しています(登録から7日間)。ご自身の商品や資金に合わせて進め方を決めたい方は、無料のロードマップ作成ミーティング(Zoom・60分)もご利用ください。
参考情報(2026年10月確認):経済産業省「海外事業者が製品安全4法の規制対象となりました」/財務省 関税・外国為替等審議会「急増する少額輸入貨物の課題と対応の検討」/About Amazon Japan「Rufus、日本のすべてのお客様が利用可能に」/Amazonセラーセントラル「2026年フルフィルメント by Amazon手数料および販売手数料の改定(日本)」。手数料・制度は改定されることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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